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電源の質ってなんだ。って考えたときに真っ先に浮かぶのはDC供給がいかに電圧がぶれずに供給できるかなんですが、これを日常生活で行うのは結構難しいんですよね。そんなわけで、どういうことが電圧降下につながるかとか、ちょっとずつ搔い摘んで書いていきたいと思います。

※ちゃんとはまとまっていないので、面倒なかたは次の注釈部分まで飛んでください。

で、オーディオにおいての電源というのは開発時の電圧、安定性に近づけていく作業になると思ってください。その表現が一番しっくりくると思います。というのは、スペックに印字されている電圧と、美味しい電圧はほんの少しだけ違うんです。アダプタというのは種類によるところはありますが、大体0.1%くらいから20%くらいまでの電圧誤差が出てしまうわけです。とくに大きいのはトランスなわけですが、逆にこいつはノイズを減らすという側面もあり、オーディオ的には設計のいいトランス電源のほうがいい、という認識が出来ています。しかしここではあくまでも電圧を美味しいところに出来る限り安定的に留めておくことを重視しますので、ドロッパ型、シリーズレギュレータ型と呼ばれる余分な電気を熱に変えてしまう方式を推奨しています。

一般的なアダプタはスイッチング電源ということで、定期的にノイズが入ったり、リップルノイズが非常に大きかったりしますので、これの安定化にシリーズレギュレータを使ったりするわけです。スイッチング電源の問題は消費電力は小さいですが、それ自体がノイズを撒き散らし、大型のノイズ源として機能してしまうことです。

一般的にはノイズというのは、冷蔵庫やクーラーなどの電力消費の大きなものほど多くなるのですが、スイッチング電源に限っては高周波に撒き散らす上に、今の時代この方式ばかりで、同じような周波数にノイズが固まってしまい、機器の誤動作や、アースラインにノイズが乗ることによって、相対的にラインの音が変わってしまったりと、さまざまな問題があるわけです。

重要なのはここからなのですが、もちろん家庭外(=送電時)に伝わったノイズも影響あるのですが、それは送電の電圧が十分に高いためにさほどの影響は受けませんし、電線間の距離も十分で、方式が3相交流なのでまず線の間での影響はほとんど受けないですので、正直気にするほどではないです。どっちにしても家庭に引いた時に変換するためのトランスかましてるはずなので、他の家庭の電源事情は(本来なら)関係ないはずなんですね。

もちろん例外もあって、一定の地域で配電盤を共有している場合です。要するにマンションなどです。これは他の家庭の電源事情ももろに受けてしまいます。これをまとめると、一戸建てでも家の中全体に電源ノイズ対策をしないと意味がないと分かってもらえると思います。

少し寄り道になりますが、先にノイズを何でどうしたらいいのか、フィルタとノイズの関係を見ていきましょう。

まずサージフィルタ(ESDノイズフィルタ)とはなんぞや、という話ですが、これは瞬間的に大きな電圧の直流電気が発生したときに機器を守るフィルターです。静電気や雷がこれに当たります。これは根本的に機器が壊れるのを防ぐという点でも優れていますが、トランスが直流成分でうなることを防ぐなど、直流成分が機器に与える負担を恒常的に低減することが出来ます。

PLC用フィルタ。PLCというのは電源を使った通信なのですが、これは電源にブロックノイズを発生させて、それによって通信を行うものです。そこでこのフィルタが何に使えるかというと、機器を使ったときの電圧降下を緩和できます。主にPLCを使うと影響が出るとサイトに書いてあるようなものに効果があります。特に効果的なのは掃除機で、これに関しては短時間使う機器にこそ効果が出やすいです。

それから、EMIフィルタ、EMSフィルタ、EMCフィルタ、といわれるものがあるが、要するに電磁波を出さないためのフィルタ、電磁波を受けないフィルタ、両方に対してのフィルタといった具合で、良くEMIフィルタの代表にフェライトコアが挙げられる。

対策方法はこんな感じなのですが、これらのフィルタを使うに当たって、さらに信号か、ノイズかという区分が必要で、信号に乗ったノイズをノーマルモードノイズ、ケーブルがアンテナになって乗ったノイズをコモンモードノイズというような分けかたをします。

で、ノーマルノイズとかフィルターかけたら、元の信号まで可笑しくなるじゃないですかやだー。ってことで、面倒なので信号ラインには手を触れないで下さい。実はデジタルに関してはアイソレータをかましたほうがいいのですが、これはアースを伝ってデジタルノイズが流れてきたりするためです。可能なかただけで良いかと思います。LANとPC(USBやFireWireなど)だけでもつけてもらえるとかなり安定はするのですが、割とコストが高くなりますので、今回は後回しにします。

オーディオ機材というのは関連する回路全体のアースをつなぐことによってアースを安定させるので、アースが汚れていると急激に性能が下がってしまうという弱点があります。ただし、ハイだし、ロー受けなどによって、信号にのるノイズ自体はかなり少なくなっていますので、影響は少なくなっています。しかし、マッチングしないことでの情報量低下もあり、ノイズが少ないから音がいいと言うわけでもないところがミソですね。

寄り道が別の話になってしまいましたが、今度は当初の趣旨に戻っていきます。目的は安定的な電源供給によって音質を改善することなので、定電圧電源について書いていきましょう。


※面倒な人はここから。

電圧を安定させるには、二つのアプローチがあります。ノイズを減らす、電圧を指定して余分を削る。これらを実現するに当たって、一番効率がいいのが、トランス電源で、かつ余分な電気を削ってくれるものということになります。この時、アダプタと考えると一番簡単なものはアマチュア無線(ハム)用のトランス電源です。スイッチング式でなく、ドロッパ式なりトランス式なりと書いてあるものを選んでください。なぜこれがいいかというと、電圧を微妙に調整できること、電圧が安定的であること、極性を自分の好きなようにケーブル作成の際に作れること。アダプタを買い足さなくても上質な電源が使えるというのは美味しいと思います。

電源の電圧を調整するというのは0.01V単位で変わるので、かなり繊細な作業です。ぜひゆっくりと楽しんでください。

そしてもう一つ、オーディオの世界で推奨されてる方法があります。それは車用なりのバッテリーを使うこと。あるいはエネループを使って、DC-DCで余分な電気を削って、電源供給をするという方法です。これは電圧は回路次第ですが、コンセントにつながないことでノイズの影響を少なくしようという考えです。実際にはノイズ対策をしっかりしたコンセントのほうがノイズレベルは圧倒的に低いという結果が出ていますが、東京など電源がかなり悪い環境ではよく使われる手段のようです。逆に田舎では悪化することもあるようです。

オーディオというのは体感しやすいので例えに良く使いますが、PCでも速度は上がりますし、無線LANでも対策してあるのと無いのとでは明らかに速度に数値的な差が出てきます。ノイズが多いと当然それをカットするために熱が増えて消費電力が増えますし、それによってまたノイズが出てと、増えるときはかなり悪い連鎖を生みますので、少し対策してみるだけでも家庭内全体が快適になります。ぜひ試してみて下さい。



こんな感じですかね。こんだけ書いてタップとかのこと書かないの?といわれるとあれなんで書いておきますが、タップは音が良くなるのではなく、壁コンセントにはノイズが多すぎるというのが回答だと思います。USBでもそうですが、密集しているところから距離をとることでの改善というものがあって、同時に消費電力があるとノイズを発するということで、タップ自体がノイズ源になりうるリスクをはらんでいます。よって、これもノイズが多いときはタップを使ったほうが良い。少ないときは使わないほうがいいというのが回答です。FURMANの安いタップはどうもノイズだらけという測定結果が出ています。最近はあれを挟むと音がわるくなるので一切使っていなかったのですが、割と耳というのは正直なので、便利だと思います。ぜひ耳で聴いて調整してみてください。割と耳って高精度な測定器なので。

うちではノイズ減らすためにフェライトコアを部屋に100個くらい、30個くらいを他の部屋の家電にもつけてます。テレビの映像ももたつかなくなった印象です。ブロックノイズがなくなりました。気になるかたはぜひ。電源周りのケーブルだけで結構なので、一度試してみて下さい。

同じブレーカーのコンセントから電源をとると音を悪化させ易いので、いかにノイズ源を遠くにするか、タップを使って減衰するかということを念頭において色々試してみて欲しいところですね。
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